デジカメあれこれ

このページは画像加工と直接の関係はありません。 興味がなければ前に戻ってください。
デジカメを購入しようと思ってカタログを見ていると、デジカメ特有の性能を示す言葉がいくつも並んでいます。  それらが何を意味するのか、いくつかのポイントを載せてみました。

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1.カメラの基本となるレンズについて
2.原色CCDと補色CDDで何が違うか
3.画素数の多い方が画質がよいと云えるのか、人の目の特性は
4.画素数はどれ位あればよいか
5.カメラの画素数を設定する
6.カメラは大きいほど画質が良い(?)
7.液晶モニタの質はどうか
8.カメラはとりあえず写真が撮れればよい

カメラの基本となるレンズについて

 デジカメで気にしたいのが光学ズームの倍率です。 しかし目的とする被写体によっては単焦点レンズの方が便利と云うこともあります。  単焦点は焦点距離が決まっているのでその距離より背後にはすべて焦点が合うことになる。  とても小型でピントを気にする必要もないのでスナップ写真には都合が良いかも知れません。  少し大きめになるが最近のデジカメでは光学3倍ズームが標準のようです。  しかしズーミング率だけで決められないことがあります。  ここでも焦点距離の問題があります。

 カタログのレンズ項目の焦点距離に、35mm換算でXXmm〜YYmmと云う記載があります。  ここで、XXmmが小さいほど焦点距離が短い訳ですから、たとえば狭い部屋の中で大人数の集合写真が撮れるでしょうし、 YYmmが大きいほど望遠レンズと云うことになります。  3倍ズームのカメラならおよそ28mm〜90mm程度のレンズになり、広角からズーミングまでの撮影が可能になります。  しかし、もっと遠距離撮影を必要とする場合、たとえば8倍ズームのカメラになると40mm〜320mm程度になり、 これは立派な望遠レンズになりますが、反面、最小が40mmでは狭い部屋での集合写真用途には少々無理があります。

ここで35mm換算という言葉を使っていますが、これはCCDの場合は35mmフィルムと大きさが違うため、 写真の写る範囲(画角)を35mmフィルムに換算した焦点距離で表示しています。  つまり、35mmフィルムの場合に焦点距離が50mmのとき、自然に物を見るときの視野に最も近いといわれているため、 これに換算して分かりやすくしているのです。

 もう一つカタログには撮影範囲の数値が併記されていますが、 その中で美しい花などを接写して撮る場合に必要なマクロモードというものがあります。  このような撮影をしたい方は確認しておきましょう。  たとえば被写体に10cmの距離まで近づいて名刺サイズをほぼ画面いっぱいに撮影できる場合もあります。

 カタログにはレンズ構成が、たとえば7群10枚のように記載されています。  これは撮影した写真の色収差や周辺の光量差に影響するため、レンズの組み合わせで性能を上げていますが、 興味がなければ知る必要もないでしょう。  試しに使い古した不要なメガネがあったらそのレンズを外して2枚重ねでデジカメレンズの前において撮影したらどうなるでしょう。  これもデジカメのレンズ構成群の一部として何らかの機能をするでしょう。  広角レンズの代役になるかも知れません。

 また、非球面レンズと云う言葉がでてきます。 普通のレンズの表面は形状が球面になっていますが、 非球面レンズは表面が球面でないレンズであり、これによってレンズ枚数を少なくすることができ高性能でコンパクト化することができるのです。

 一つのレンズであれもこれもと云うわけにいかないため、カメラにこりはじめるとオプションのレンズが必要になる場合があります。  カメラのレンズの前に取りつけて、写る範囲を変えることができるコンバージョンレンズ (より広い範囲が写し込めるワイドコンバージョンレンズ、 遠くのものをより大きく写せるテレコンバージョンレンズ)や、小さなものを大きく写せるクローズアップレンズなどがあります。

 更にもう一つ、デジタルズーミング何倍とも併記されていますが、画素数の少ないカメラでは使わない方が良いでしょう。  どうしても必要と云うなら、一度パソコンに取り込んでからソフトで拡大した方が綺麗に拡大できると思われます。 (利用するソフトにもよりますが、バイリニア法とかバイキュービック法といった拡大・縮小方法があります。)
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原色CCDと補色CDDで何が違うか

カタログを見るとCCDの項目には画素数やCCDサイズの他に原色あるいは補色とか書いてありますが、
これは外から受けた光をCCD素子が色として識別するためのフィルターのことです。  原色フィルターは光をRGB(赤緑青)の3色で色を認識するもので、 補色フィルターはその色を更にC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の4色で色を認識する方式です。  一般に、原色CCDは原色に近い鮮やかな色再現ができ、補色CCDは暗い部分の再現がし易いとかシャープネスや感度にすぐれていると云われます。
原色は大衆に好まれやすいためか、これまで補色CCDのカメラを出荷していたメーカーも新機種から原色CCDに変えてきているところもあります。
原色はテレビ屋さん的な発想、補色は印刷屋さん的な発想ということになるでしょうか。  しかし、両者をそれほど拘りをもって見る必要があるかは疑問です。  カメラで撮った写真をそのままプリントして終わりにするなら両者の差に拘る必要があるかも知れませんが、 普通はデジカメ画像をパソコンに取り込むでしょう。 そうなればパソコン上でいくらでも好みの色補整ができ、 原形などどちらでもよいことになってしまいます。

実際に私の購入したデジカメは噂通り、黄色が出やすく、特に芝生の色など条件によっては何だこれはと感じることはありますが、 後でいくらでも補整できるので大きな問題ではありません。  補色方式だと暗い部分の再現がし易いと云ったものの、これまたパソコン上で如何ようにもなります。
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画素数の多い方が画質がよいと云えるのか、人の目の特性は

デジカメで価格競争が一段落すると今度は画素数競争になっているように思われますが、 そんなに画素数を増やして何するの?、といった感じもします。 (勿論、大サイズのポスター印刷したいならともかく)
人の目には視覚特性というのがあって、それ以上の解像度は只の冗長という気がします。
要するに撮ったデジカメ画像を後で何に使うかが重要であって、 それに合った画素数を選ばないと後でいろいろ困ることがあります。  このカメラは画素数が多いから高画質だとは云えないのです。
極端なことをいえば、デジカメ画像を殆どパソコンやテレビで見る人にとって画素数は100万画素あれば十分であり、 それ以上はかえって何かと重荷になってしまいます。  画素数が少なくても十分なプリント画質を得る場合もあります
たとえば、同じ画像を同じサイズの印刷物と写真とで比較したとき、 印刷物は解像度が高いにもかかわらず写真と見比べてみると平坦で硬い感じが、 一方の写真の方は柔らかく奥行き感のあることに気付くでしょう。  これは人の目が物事を平均化して見る習性があるからです。
写真をプリントするときの解像度は1mm幅に8〜10、多くても12画素あたりが適当でしょう。
  一方、文字になると階調がいらない分、 解像度は1mm幅に12〜16画素程度必要になってきます。  これは平坦な部分から急に変化する部分があると、人の目は警戒心が働くためか、 その変化に敏感に作用するようになるからです。

デジカメの画素数と解像度の関係

以下の値を一つの目安にしてください。
画素数による画面サイズとでの印刷サイズの関係
 画素数 画面サイズ(約) 印刷サイズ(200dpi) 印刷サイズ(300dpi)
 600万画素 2832X2128画素 359.7X269.7mm 239.8X180.2mm
 500万 2560X1920 325.0X243.8mm 216.7X162.6mm
 400万 2288X1712 290X217.9mm 193.7X144.9mm
 300万 2048X1536 260.0X195.1mm 173.4X130.0mm
 200万 1600X1200 203.2X152.4mm 135.5X101.6mm
 100万 1280X960 162.6X121.9mm 108.4X81.3mm
200DPI とは、1インチに200画素の解像度で印刷することです (1ミリ幅に7.874画素)
画素数に対する画面サイズのとり方はデジカメ機種によって多少異なるが、基本は通常テレビと同じ縦横比です

これらの数値は一つの目安であって、以下の例のように同じ印刷サイズに、 もっと少ない画素数で印刷しても画像によっては十分な画質を得ることができる場合があります。
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画素数はどれ位あればよいか

すぐ上の項で、人の目は物を見るとき変化の激しい部分では平均化して見る習性があり、 反面、平坦な部分から急に変化する部分があると、 そこでは人の目は警戒心が働くためか、その変化に敏感に作用する習性がある、などと云いました。
「どれ位の画素数が必要か」は、やはり印刷する頻度や印刷用紙のサイズによって決まります。
上のように人の目の特性を考慮して見たとき、ハガキサイズで印刷する頻度が最も多いとすれば、 200万画素あれば十分な品質が得られ、 仮にA4サイズで印刷するにしても300〜400万画素程度で十分と云うことになります。  あるいは、私のように印刷まですることは殆ど無い、たまに年賀ハガキで印刷するくらいで、 通常はモニターで鑑賞すると云うならば画素数が多いことはかえって邪魔だと云うことです。  年賀状印刷のときでも、画像にもよりますが100万画素程度の画像を使っても特に違和感をもちません。

印刷する場合に、殆どがハガキサイズ程度であっても、たまにはA4サイズで印刷してみたいと思うこともあるでしょう。  このようなときに、200万画素程度のカメラで撮った写真であれば、 パソコン上でA4サイズに合致するように拡大し、 更にシャープネス処理をしてから印刷すれば、これでも思ったより良い結果が得られることでしょう。
少し極端かも知れませんが、200万画素の画像を仮に大伸ばしでポスターサイズに印刷したとしましょう。  かなり粗っぽい画像になりそうですが印刷面に対してある視距離をおいて見れば 画素数が極端に多い場合より奥行き感が出て、かえって美しく見えることがあり、 人の目がその視距離間で適当に画像処理してくれるからです。 これは絵画を鑑賞するときよく経験することです。

一方、撮った写真の中で偶然に写っていた一部分だけが気に入ったとき、 その部分をトリミングして一枚の画像にしたい場合があるかもしれません。  このようなことを予想すると画素数の多いカメラで撮っておいた方が無難かもしれません。
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カメラの画素数を設定する

デジカメで撮った写真をその後どう扱うか、はっきり決めているなら写真の画像サイズは目的に応じて設定した方がよい場合があります。  たとえば300万画素のカメラを持っている人で、 これから撮る写真はパソコンのモニターでしか見ないことがはっきりしていれば1280X960画素程度に設定して撮った方が後で何かと楽でしょうし、 めったに撮れない旅行写真などで、モニターで見て終わりにするか、A4サイズの用紙に印刷するか、 あとでどう使うか分からない場合はそのカメラの最高画質に設定しておいた方が無難でしょう。
手持ちカメラの最大画素数によって画像サイズはおよそ以下のように選択できます。
130万画素なら、1280×960/1024×768/640×480/
200万画素なら、1600×1200/1280×960/1024×768/640×480/
300万画素なら、1984×1488/1600×1200/1280×960/1024×768/640×480/
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カメラは大きいほど画質が良い(?)

デジカメには光を受けて電気信号に変換するCCD素子が使われていますが、カメラによってその大きさが異なります。  カタログにはCCDの項目にそのサイズが1/1.7インチとか、1/2.5インチといったように記載してあります。  撮影可能な画素数が多くなれば当然CCDサイズも大きくなりますが、 同じ画素数でもカメラをコンパクトにしたいがためCCDを小さくする場合があります。
CCD1画素の受光面積は大きい方がより光を多く受けることができるので画質は向上します。  光を多く受けられれば余計なノイズを打ち消すことができるからです。  特に暗がりで撮った写真などではこの差が目立つようになります。  コンパクトなカメラで小さいCCDしか装着できない場合に、 大きい本格カメラと画素数が同じだからといって画質が同じだとは限らないのです。
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液晶モニタの質はどうか

デジカメは液晶モニタを見ながら撮影でき、  撮った画像をその場で再生できる点は便利ですがサイズ的にも内容が確認できる程度のものです。  あまり画質を期待するようなものではありませんが、 ピント合わせやフレーミングを液晶面上で行ないたい場合は液晶の品質も大切でしょう。
デジカメではほとんどTFTという液晶を採用していますが、 最近のカメラの中にはより画質の高い低温ポリシリコンTFTを採用しているカメラも増えてきています。  しかしその液晶画面を大きくすればカメラが大きくなり消費電力も多くなるのでこの点は期待できません。  つまり、画面サイズがある範囲より小さいとき、 人の目は色の面積が小さくなるにつれ色の識別能力を失っていくからです。
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カメラはとりあえず写真が撮れればよい

操作説明書を見ると小さな文字で、いろいろ書いてある。 いちいちこんなことをしないとダメなのかと思ってしまう。  やはり写真はいろんな設定をしないで、すべて自動で撮れた方がよさそうだ。  そのときのどきで最適条件にこだわって撮ってみたところで、どれだけ効果的なのだろうか、 自動で撮ったときとどれだけの差が見られるだろうか。  あまり考え込まないで、とりあえず写真は撮ってしまい、 パソコンに入れてから自由自在に好みに合うように修正した方が楽な感じがします。
デジタルの最大のメリットは後で加工ができる、修正できる、伝送できる、 変色しない、などの点にあると思います。  このように考えると機能の豊富さより、デザインや大きさ、持ちやすさ、ズーミング、 広角などが最初の選定基準になるでしょうか。
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