3次元グラフィックスの話
![]() ★ ここで一つの形状モデルを見て下さい。 すべてがワイヤーフレームで描かれています。 各線で囲まれた多角形の閉領域をポリゴンと呼んでいますが、 透視図で描かれており本来裏に隠れるはずの線分まで表示しているため、この状態では立体感がはききりとは掴めません。 ★ また、同じ球体でも(2)では球体を描く線数が少なく各ポリゴン表面に色を塗ったとき、 ポリゴンの形状跡が映し出されてしまって滑らかな球体にはなりません。 これに対して(3)のように描画線数を倍にしてみるとかなり滑らかになっています。 その分ポリゴンの数も球体では4倍になりその処理も4倍多くかかるようになります。 ★ このような形状モデルの各ポリゴン表面に色を塗っていくのが別の項で述べるレンダリングですが、 どんな色を塗るかは表面モデルや光源モデルで決まってきます。 ![]() このために次のような座標系があります。 ![]() ・ワールド座標系:ボディ座標系の中で描いた個々の物体を配置する座標であり、 この系で座標変換するとその中に配置された物体はすべてが座標変換されることになります。 ・視点座標系:ワールド座標系に配置された物体を見るための座標であり、 ワールド座標系に対して視点の位置を原点として視線の方向をZ軸(奥行き)方向として定めます。 このとき、視点の位置や視線の方向が常に同じであればワールド座標系は視点座標系と同じになるので、 ボディ座標系から直接視点座標系へ変換することができます。 そしてこの座標系で視点の位置を移動すればワールド座標系の中にある各物体はすべて座標変換されることになります。 ・スクリーン座標:視点座標系に置かれた物体を今度はCRTモニターのような平面上に投影して見るために透視変換しますが、 ここではじめてZ軸がXY平面軸上に変換されるため個々の物体は遠近感をもって表示されるようになります。 そしてスクリーン座標上では、視野からはみ出した部分はクリッピングという手段でカットしてやる必要があります。 ★ 上図で視点の位置を動かせば、ワールド座標系に配置されている各物体の見え方が変わってきますが、 この場合、視点の位置を動かさないでワールド座標系を回転、拡大縮小などの座標変換しても同じことになります。 ワールド座標系を変換すればそれに伴ってボディ座標系も変換され、物体の位置も変わってくることになります。 − 2000.1.8. − |