我が家の「あれぇ!」事件簿
 どのハウスメーカーさんでも同じような手法を採っていることかも知れないが、 建築現場で聞いた話によれば、請負業者さんに対しては減点主義を採っているとのこと、 それだけ自分自身にも厳しくなるだろうと想像する。 それでも不具合箇所が多々見えてしまう。
メーカー選定中は営業さんとの接触しかないが、 同じ企業内でもいろんな営業さんがおり同じ方向を向いてるとは限らない。  営業さん間のバラツキが大きいことを最初に気付く、ならば建築現場でもバラツキが大きいだろうと想像する。  終ってみればその通りで、メーカーさんにとっては日常茶飯事の些細なことかもしれないが、 はじめて見る者には異様な光景に映る我が家の「あれぇ!」事件とは。 

[◇◇◇ 外構工事 ◇◇◇]
工作物申請から宅地造成申請へ変更
無理な言い訳に不快感、申請料の追加を住友林業緑化と折半することで妥協。

よく分からないが嬉しい誤算だろうか、単なるコストアップか
地下車庫の配筋  住友林業緑化では、地下車庫を擁壁の一部と一体で構造計算して宅地造成申請したが、 構造上の問題で地下車庫と擁壁は分離して構造計算するよう役所の指導があったそうだ。
変更された申請書に添付した設計図を見ると、車庫の鉄筋は縦筋D13@150X横筋D13@200になっている。
ところが工場では既に当初の構造計算にしたがって鉄筋が縦筋D16@150X横筋D13@200で加工してあったとのことで、 それを使って配筋されていた。
その結果として縦筋が太くなっただけ多少は頑強な地下車庫になったようだ。 気分的に。

スペーサー飛び出し
スペーサーがはみ出している(3個所)  型枠組立が終了した段階で現場を見たとき、何となく型枠が傾いているような感じがして、 鉄筋と型枠間の幅を測ると40mm程度しかない場所が数個所あったので監督さんに電話して聞くと、 コンクリートを流し込むとき調整するので心配ないとのことで安心していた。
ところがコンクリート工が終わり、型枠が撤去されると写真のような状態。
ひどいことにスペーサーが飛び出しているではないか、しかも4箇所もある。
何だ、これはと驚く。
スペーサーを削ってモルタルで隠すというから、そういう問題ではないでしょうと反論。
 証拠になる記録写真は撮っておいてよかったと思うのは、 これを基にコンクリートかぶり厚を推測してみると、ごく一部分とは云え明らかに38mmしかないことが分かった。  これは建築基準を満たさず、がぶり厚が少ないのは耐久面で心配になる。  そこで監督さんに聞いて実際に使ったコンクリートの試験表を調べてみると、 水・セメンと比が50%弱になっていることが分かり耐久性の心配はとりあえず妥協に至った。  そして、無難のためコンクリートの中性化抑制剤(ハイドロシラン)を全面にコーティングして一件落着。
スペーサーが飛び出したのは、壁面に模様をつけるための化粧版が発泡スチロールで出来ているため、 コンクリートを流し込むときその重量で鉄筋が押されてスペーサーが発泡スチロールに食い込んだのだろうと想像できるが、 こんなことが起こるものかと驚いた。
問題は、最初の段階でかぶり厚が規定通りに確保されていないことを指摘したにも関わらずこの有様だから処理の仕方に疑問を抱くことになる。

車庫前にチェーンポールを取り付けるはずだが
何を勘違いしたのかチェーンポールが無い、工事をストップして貰おうと住友林業緑化へ電話したら、 担当者は長期休暇をとって旅行中だというのである。  結局は後日になって、せっかく作ったコンクリート床の壊しから始まる工事のやり直し。  しかも近隣へ何の断りもなく突然壊し始めるから騒音でクレームに繋がってしまう。

インターフォンの取り付け位置が間違っている
ひどい言い訳に呆れる。 さほど大きい問題でもないし、やり直すことも大変そうに見えたので妥協に応じてそのままにした。

[◇◇◇ 建築工事 ◇◇◇]
ハリケンタイのビス打ち忘れハリケンタイのビス打ち忘れ
 撮った写真の中で偶然に写っていたビスの打ち忘れ。 これは風の吹き上げ力から屋根を守るため垂木と母屋などを緊結する大事な金物だが、 写真のように打ち忘れ箇所があった。 しかし、これは玄関前の屋根だから台風の影響も少なく問題にすることでもないが、 もしこれが風当たりの強い2階屋根にあると心配になる。 監督さんに聞いたらビスは差し込んであったが打たれてなかったとのこと。  本来ここにはハリケンタイの不要な箇所だとも言うが、そういう話ではないでしょう。  要するに偶然に写真に写っていたビスの打ち忘れが1件あると云うことは確率的に他にも十分あり得るということだろう。


釘の打ち損ない野地板の釘打ち損ない
 見事に外れている!。
屋根の野地板を垂木に固定するため150mmピッチで釘打ちするそうだが、ところどころで釘の飛出しを発見する。
これらは後で打ち直しをしているというが、位置決めがうまく出来るかどうか。
野地板からは見えない幅40mm程度の垂木めがけて打つわけだから難しそうに思い、屋根を見上げながら丹念にチェックしたが、 それにしては飛出し数はそれほど多くはないように感じた。

換気フード換気ダクト穴ときづれパネル
 耐力壁になっているきづれパネルが換気孔で切断されている。 耐力壁として影響しないか監督さんに聞いてみると、 内側から補強して釘打ちしているとのことであった。  内側から見ると確かにそうなっていたが、きづれパネルの切断箇所がキチンと釘打ちされているようには見えなかった。




傷の付いた木ずれパネルきづれパネルが壊れている
 きづれパネルが何かにぶつけられたのか壊れている。 耐力壁になる箇所だから直してください、 と言ったら監督さんが赤マジックで印を付けていた。 壊れた板と釘の打ち所が少し違っているようだが、問題にするようなことでもない。  監督さんもチェックしているが多少の漏れは出ると言う。  打ち忘れや打ち損があっても、それが許容できるバラツキの範囲内であれば構わない。 しかし、許容範囲がどの程度なのか、誰からも伝わってこない。  それよりも釘がパネル深くに埋もれてしまっているのが目立った。  深さが最大5mmまでは許容と云うが、実際にそうなっているか分からない。 果たして耐力にどれだけ影響するか。

耐力壁のビス打ち損ないとひび割れ
耐力壁を間柱で固定  屋内用耐力壁を固定するビスの打ち損ない(ビスの飛び出し、柱の裂け目)が気になった。 見つけた数は4本の間柱で22箇所の欠損だった。  最もひどいのは1本の柱で10箇所に欠損があり、1本の間柱のビス打ちの約3割が欠損ということになる。  これは放置できないと素人は思うのである。

 このようなビスの打ち損じは、幅45mmの間柱を介して耐力壁を繋いでいく箇所で発生しやすく、管柱で繋ぐ箇所では発生することはない。
大工さんは言う、「間柱で壁を繋いでいくのは難しい、目印に沿って打ち付けるがビスが僅かでも外に傾くと飛び出してしまう」。
気持ちはよく分かるが何とかして欲しい。

 耐力壁の打ち損じは壁倍率低減につながるので、その影響度は分からないがぞ〜っとする光景である。  ひび割れ その打ち損じの分布をみると、ポアソン分布によく似ている。  つまり、一箇所で欠損が見つかるとその周辺に連続して見つかる確率が高いことを意味している。

 間柱にビス打ちした時の欠損の形状は写真の通りで異様な光景に映る。 飛び出し、ひび割れなどさまざま。  ビス打ち損ない個所は打ち増しするよう本部から指示があったとのことでビスの打ち増しをしていたが、 これで強度が保てるか疑問、それどころかひび割れが増した個所もあった。  そして後日現場を見に行った時は、ひび割れのある間柱には角材を釘打ちして補強していた。 (下の写真 ↓)
  さて、効果の程度はどうだろうか、手間をかけた割には単に気休め程度のような気がする。  監督さんによれば耐力壁は壁倍率3.0を確認しているが湿気による劣化や湾曲が出る可能性があるので安全を見込んで壁倍率2.5で認定を受けているとのことだったが、 上記のように1本の間柱のビス打ちの約3割が欠損ということでも認定基準内に入るのか甚だ疑問。  しかし監督さんは驚く様子がないので、住友林業ではこれが通常の出来事だろうか。 この辺りが曖昧な返事のため不安は増すばかり。

耐力壁ビス飛出し補強  このようなときに監督さんから、バラツキの許容範囲やそのための安全率を設計にキチンと反映している、 などの具体的説明があれば説得力があるだろうが、そのような話しは出てこない。
おそらく、木造建築だからひび割れなどはこれから次第に出てくるだろうから、 これ位は問題ないということかもしれないが明確には伝わってこない。

 釘打ち方法に関する住友林業の仕様をみると、「パネルの継ぎ目が間柱位置になるときは、 釘を斜め打ちにして間柱から外れないようにすること。  著しいまたは判断に迷うような損傷や欠損がある場合は耐力壁部分への仕様を控える。」  などが記載されているが、実際にはどうだろうか、必ずしも斜め打ちしている様子は見えない。
要するに、カタログや仕様書で立派なことを言っても現場がこれじゃ話にならない。

断熱材袋の破れ
和室天井の断熱材  断熱材のグラスウールが露出している。 弾力性があるので摩擦などによる粉塵性はロックウールに比べれば少ないと思われるが、 グラスウールやロックウールは露出部分があると、結露による垂れ下がりや黴などの悪いイメージがもたれる、どんなものか。  監督さんによれば、1階の天井裏は空気の流れがないので飛び散ることは無く、断熱材の袋も隣へ重ねていくので何ら心配ないとのこと。

基礎立ち上がり傷こんな些細な箇所まで手直し
 何かをぶつけたのだろうか、基礎立ち上がりのモルタル表面に傷がついている。  指摘するには恥ずかしいようなことだが一応は直してもらった。






もう壊れた仏間の扉
仏間観音開き扉  希望に目覚め、感謝に眠る日々、これもご先祖さまのおかげとお参りする。  その仏間の襖折戸(片方2枚折観音開きの扉)を開けたら突然1枚がガタンと落ちた。  反対側のもう一枚も触っていたら外れてしまった。  何だこれは、もう壊れたか。 入居して間もないときであった。
そして直るまでに1週間余が過ぎた。 業者さん曰く「締め付けが緩くなっていた」とか。
構造体でなくてよかった。




入居まもなく照明灯が切れた
 それくらい自分で直せよ、と言うことだろうが連絡したら暫くして業者さんが交換に来てくれた。  聞いてみると寿命は1000時間程度という、それにしても切れが早いので電圧等調べて貰ったが異常なしとのことだった。  この電球、丁度1000時間の寿命を終えたのだろうか。

浴室の制御パネルが
 浴槽のお湯操作は殆ど制御パネルのボタン押しだけ、ご丁寧に操作内容を音声で知らせてくれる。  浴室制御パネル これを便利と言うんだろうか。 ある日、突然その音声が聞こえなくなった、耳を近づけると微かにモゴモゴ話してる様子。  何度試しても同じ状態。 別に音声なくても支障ないが、正常でないのは確かだ。 念のため連絡すると業者さんが直ぐに来てくれた。
状況を説明しながら試しに制御ボタンを押してみるや、あれぇ!、正常に音が出るではないか。  再現性なく原因不明。 操作ミスにしても、どうしたら操作ミスできるか分からない。  業者さんにはわざわざ来てもらって済みません。

何だ!、敷居がおかしいぞ
敷居薄板の剥がれ  やはり新しい家は快適だと思いつつ、暫くして生活に慣れてくると細かいところまで見えるようになる。  ある日、気が付くと「あれぇ! 何だこれは、敷居が浮いている」。
これじゃ開け閉め出来ないぞ、と思って試してみると何事も無いように引き戸は動く。
どうなっているんだろう、浮いたところを指で押さえてみると正常になる。  要するに引き戸の滑りをよくするように薄い板(竹材)が貼ってあるのに気付く。  ついでのときに直してもらうようにしたが、竹材でも膨張によって剥がれるそうだ。
後日、業者さんが来て簡単に直していた。  要は敷居に薄い竹板を両面接着テープで貼り直す作業だった。 しかし半日もしないうちにまた剥がれた。  竹板に癖がついてるので無理なようだ。 連絡したら、今度は竹板を取り替えましょう、とのこと。 いろいろ済みませんね。

洗面化粧台まわりの床が水浸し!
 朝食後のひと時、新聞を読みながらテレビを見ながらの器用な時間帯。  洗面室で突然の声に驚いて行ってみたら洗面化粧台の床が水浸し、 どうしたんだ、分からん、いつの間にか洪水になっていた、バスタオル1枚じゃ足りないぞ、 もう2,3枚持ってこよう、・・・など騒ぎながら先ずは水の始末。  洗面化粧台 タイミングがよかった、今日は入居後の3ヶ月点検日。
一息つき暫くすると「ピ〜ンポ〜ン!・・・住友林業です」の声、約束時間ピッタリだ。
初めて会う住友林業の保守担当者が来るや早速に調べてもらった。  そのときは既に水浸しも始末した状態だったので担当者はあまり驚きもせず落ち着いた表情で中を覗き込んでは手探りで調べていた。
分かりました、これですよ、といって教えてくれたが、蛇腹配管の接続部が外れかかっている、 というより最初からしっかり取りつけてなかったらしい。 業者へ手配しておきますと言って3ヶ月点検に入った。  30年間住んだ旧家屋でもこんなこと一度も無かったのに、先が思いやられるかも。
後日、業者さんが修理に来てくれたが、極めて単純な障害、接続部をしっかり押し込むだけの作業で2分程度で修理完了。  しかし、単純ミスといえど床が水浸しになるのは困る。

床がギシギシ鳴る!・・・床鳴りの第一歩
 歩くと床の一部がギシギシ鳴り始めた。  その箇所は以前より床が沈むような妙な感じだったが、 やはりフローリングの接着剤が剥がれたらしい症状。
住み慣れた旧家屋の床でもこれほどのことなかたのに!。
サポートセンターへ電話してみると、新築後4ヶ月も経つので床下の鋼製束が緩んだかもしてないと言う。  接着剤の剥がれだと修理が大変そうだが、束の調整で済めばよい。 ・・・
ずいぶん時間がかかったが最終的には、 フローリング板間の接合部分(実:サネ)に補修剤を注入することによって床鳴り(実鳴り)を防ぐ方法で解決した。