岡山|満奇洞|帝釈峡
   
   


岡山・満奇洞・帝釈峡・総社

 全国の鍾乳洞巡りをしている中で、岡山県北部にある「満奇洞」を一度は訪れてみたいと、前々から思っており今回の実現となりました。 この周辺には、他に備中鐘乳穴・井倉洞・白雲洞(帝釈峡)など特徴的な鍾乳洞が点在していることもあって、これらを纏めて観光できることから今回の旅企画となりました。
 紅葉シーズンには少し早いが混雑しない10月15日〜18日に岡山北部と広島の帝釈峡、そして岡山南部にある神社・寺院を訪れました。 調べてみると、岡山には古代からの遺跡や源平合戦の遺跡、更に歴史的に優れた建造物がひしめいていることに驚かされますが、その中で幾つかの歴史に触れることが出来ました。
 今年(2018年)は異常気象というか、10月に入ってからも台風24、25号が連続発生し各地に多くの被害がでました。 特に7月には西日本豪雨による甚大な被害が出でおり、岡山では高梁川が氾濫、バックウオーター現象が起き、 倉敷・真備の堤防が決壊、家屋の浸水被害が甚大であったことは映像を通して記憶に新しいところです。 今回訪れる井倉洞も高梁川の氾濫で大きな被害を受けたそうです。 西日本豪雨は特に、岡山、広島、愛媛3県に集中し甚大な被害を与えました。 その復興支援として国をはじめ各方面で「旅して応援!、西日本へでかけよう」運動を展開していました。 吾老夫婦もこれに因んでのお出かけとなりました。 往復ともJRのぞみ号を利用、岡山市街なら空路よりJRの方が便利。 いつものパターンですが岡山駅近くでレンタカーを借りて行動開始となりました。
そして4日間の旅でしたが天候に恵まれ、鍾乳洞巡りを中心に十分堪能できました。 (2018年10月15日〜18日)

◇ 備中国分寺   10月15日(晴)
 備中国分寺は奈良時代に聖武天皇によって作られた国分寺の一つだそうです。 現在残る国分寺は江戸時代に再興されたもので、境内には吉備路のシンボルともなる五重の塔がそびえ立ちます。 岡山県で唯一の五重の塔で、高さ34メートル。江戸時代に再建され、現在では重要文化財に指定されているそうです。 国分寺の周囲にはのどかな田園が広がり、駐車場から五重の塔を目指して歩いているとそののどかさが伝わってきます。

◇ 吉備津彦神社   10月15日(晴)
 岡山といえば、桃太郎伝説が生まれた地ですが、その桃太郎のモデルとなった人物・大吉備津彦命を祀る神社が岡山市吉備には2つあり、その1つが備前国一ノ宮・吉備津彦神社だそうです。  吉備津神社のすぐ近くにあり、吉備の国が備前・備中・備後の三つに分けられたときに、備前の国一宮として分祀したのが吉備の中山の北東山麓にある吉備津彦神社とのこと。 正面から朝日が入るので、「朝日の宮」とも呼ばれています。 前回岡山を訪れたときは、これより西側にある吉備津神社を参拝していますが、 この吉備津神社の本殿は室町時代、足利義満により再建されたもので、出雲大社に匹敵する大きなものだそうです。

◇ 備中鐘乳穴(かなちあな)   10月16日(晴)
 岡山県の石灰岩地帯の一つ上房台(じょうぼうだい)に点在し、文献に残る日本最古の鍾乳洞として知られているそうです。 全長約800mで現在はそのうち約300mが観光洞として公開されおり比較的小規模ですが、 中には日本一とも言われる22階層の巨大な鍾乳石(五重の塔)や高さ3m・直径5mの大石筍(洞内富士)など、大自然が創り上げた神秘的な眺めを堪能できます。 洞内は狭く、頭上に注意して歩行する所もあります。色彩豊かな照明光は、鍾乳石の自然な質感を損なう感じはありますが、逆に幻想的でもあります。

◇ 満奇洞   10月16日(晴)
 岡山県を代表するカルスト台地、新見市草間台にあり、全長約450mで奥に地底湖が広がる鍾乳洞です。 動の井倉洞に対して静の満奇洞と言われるように地底湖の地下水の流れは殆ど無く、 水面に映し出される逆さツララ石は実に幻想的で静寂さを醸し出しています。 ここを訪れた歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻が「奇に満ちた洞」と賞賛したことからその名が付いたと言われています。 鍾乳洞内は色彩豊かにLED照明されており幻想的というか、時にはどぎつく感じるころもありますが、 洞窟博物館と言われるように一歩進むごとに景色の変化は素晴らしく、更に地底湖辺りに立つと、まるでお伽の国の竜宮に来たような感じがして、 自然が創る造形物の美しさに見惚れてしまいます。 最近では美しき鍾乳洞として人気が再燃してきているそうです。

◇ 夢すき公園   10月16日(晴)
 満奇洞から帝釈峡へ向う途中に出会った夢すき公園に立ち寄りました。 日本一と言われる親・子・孫水車が3連並んでおり、「紙の館」では備中北部で古くから伝わる奥備中神代和紙の歴史を学ぶことができます。 また、紙すき体験でオリジナルのうちわやはがきを作ることもできるそうです。

◇ 神龍湖   10月16〜17日(晴)
 帝釈川から流入する神龍湖の水面が美しい。紅葉の名所らしいが未だその時期ではないですが、神龍湖の大岸壁が見事です。
休暇村帝釈峡に一泊すると、帝釈峡の観光スポット(雄橋、白雲洞、帝釈川の断崖)まで約12Km、20分ほどで行けます。 神龍湖はその途中の道路に沿ってあるので無駄なく容易に立ち寄ることが出来ます。

◇ 白雲洞   10月17日(晴)
 石灰岩で覆われた帝釈峡一帯の地底には広大な鍾乳洞が無数にあるといわれ、白雲洞は帝釈峡を代表する鍾乳洞です。 奥行きが200m程で比較的小規模ですが、鍾乳石や石筍、石柱などが多く観られます。 第二駐車場から帝釈川に沿って遊歩道を300m弱下っていくと白雲洞があります。 入口は狭いが奥行きは約200m、広い所は幅5m、高さ20mあり、洞内の床は全て板張りで安定しており気軽に入れます。 中へ入ると両側から壁面の自然美が迫ってきており圧巻です。

◇ 帝釈峡   10月17日(晴)
 白雲洞を出て、遊歩道を渓谷に沿って更に進むと、鬼の唐門・鬼の供養塔・雄橋などの巨大な岩石があり、 特に雄橋(おんばし)という巨大な天然橋には圧倒させられます。 この遊歩道沿いを満喫した後、第二駐車場から650mほど進むと断崖絶壁の下に建つ石雲山永明寺があります。 帝釈川に沿って聳え立つこの辺りの断崖絶壁もパワースポットとして見応えがあります。(永明寺鐘楼の脇に駐車スペースあり)
この場所を離れて、神龍湖の先端辺りへ行くと、ここにも巨大な断崖を望むパワースポットがあります。

◇ 井倉洞   10月17日(晴)
 満奇洞から15Km弱の距離にある井倉洞は、高梁川沿いにそそり立つ直立240m絶壁の壁面に入口があります。 難点は洞内の高低差が90mもあり、行きはひたすら登りで体力を使い、さらに狭い空間での鍾乳石を鑑賞する余裕があるか?。 全長1,200mのコースを廻ると、階段数は上り496段、下り337段になり相当な健脚でないと困難。 そのためか300mの近道コースがあり、それでも階段数は上り215段、下り156段と、これも意外と大変。 苦労する割には鍾乳石を鑑賞する空間は少ない感じで、むしろ探検を楽しむのに向いているかもしれない。
鍾乳石の豊富さ・美しさは備中鐘乳穴や満奇洞で満喫し、ついでに井倉洞に立ち寄るという感じなら、 中に入らなくても高梁川沿いにそそり立つ絶壁を眺めるだけでも価値があるように思いました。

◇ 石火矢町ふるさと村   10月18日
 高梁市にある岡山県指定の町並み保存地区。 250m程の緩やかな坂道に残る土塀と白壁に囲まれた2軒の旧武家屋敷に往時の備中松山藩城下町の面影を感じながら散策してみました。 その近くの古い商家の並ぶ本町通りには高梁市商家資料館(池上邸:醤油製造で財をなした豪商の家)があり、無料休憩所になっています。 この通りを歩いてみると部分的には倉敷の美観地区を彷彿とさせてくれます。

◇ 井山宝福寺   10月18日(晴)
 涙でネズミの絵を描いた「雪舟」ゆかりの禅寺。 雪舟が修行をおろそかに絵ばかり描いて柱に縛り付けられ、足の指を使って涙でネズミの描いたというエピソードは子供のときから知っており、 このお寺が発祥地かと興味が湧く。宝福寺は紅葉の名所としても知られているそうですが、少し早かったようです。

◇ 備中国総社宮   10月18日(晴)
 総社市の名前の由来となった神社で、備中国に点在していた324社の神を合祀した神社。前庭の古代様式・三島式庭園を見ながら長い回廊を進むと本堂があります。 拝殿には多くの絵馬が奉納されており、円山応挙家の絵馬も奉納されているという。

◇ 岡山城・後楽園
 岡山城は、豊臣秀吉に身内同様に厚遇されて大大名となった宇喜多秀家が秀吉の指導を受けて築城し、8年の歳月を費やして完成した城。 別名は烏城(うじょう)、金烏城(きんうじょう)というそうです。
岡山市の後楽園は、金沢市の兼六園、水戸市の偕楽園と並ぶ日本三名園のひとつで、江戸時代初期に岡山藩主・池田綱政によって造営された庭園。 岡山城と後楽園の入場券をセットで購入すると、岡山城を見学した後、月見橋を渡って後楽園へ入ることが出来ます。 岡山城の天守閣からは360度展望でき眼下の旭川を隔てて後楽園が全貌できます。

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