サイズ変更

ここで説明するサイズ変更は、指定倍率の新しい画像を作ることであり、 拡大・等倍・縮小表示の操作とは異なります。

「画像変換」メニューから[サイズ変更]コマンドを選択すると図のようなダイアログボックスが表示されます。
Scale Dlg 左側に原画像のサイズが表示されており、右側にサイズ変更する新しい画像サイズを指定します。
サイズ指定は原画像に対するパーセントまたはピクセル数で指定します。

◆通常は新画像の幅または高さを指定すれば、原画像のもつアスペクト比で他方が自動的に指定されますが、 アスペクト比のラジオボタン[任意]にチェックをつけておくと、 原画像のアスペクト比によらず任意サイズの新画像に変換することができます。  この場合は、幅と高さの両方を指定する必要があります。

◆サイズ変更するときの新しい画素点は一般的な近傍画素値で補間するため、 拡大率を大きくするとスムージングされた画像になります。
このためシャープさに欠ける場合は、[シャープネス]コマンドを使って鮮明化処理を行ってください。

◆一方、原画像を大幅に縮小すると縮小画像にザラツキが目立つ場合があります。  たとえば1600X1200画素の画像を320X240画素サイズに縮小すると、特に線画の多い画像でザラツキが目立つことがあります。  このような場合に、画像を縮小するとき[フィルター]にチェックを付けておくと画質が改善され滑らかな画像が得られます。

[注意]: 新画像情報欄に入力してた数値が非常に大きいと、 その率で拡大するためメモリ不足になる場合があります。
このため拡大画像が32MBを超えるような場合は「注意」を促すメッセージを表示するようにしています。












画像回転

1.任意回転(平面)
「画像変換」メニューから[任意回転]コマンドを選択すると図のようなダイアログボックスとその隣に回転プレビュー画像が表示されます。
Rotate Dlg  スクロールバーを右方向に移動すると右に回転、左方向に移動すると左に回転します。 回転角は -180.0〜+180.0 の範囲ですが、0.1度単位の精度で回転できます。  プレビュー画像が希望する角度に回転できたら、次に[了解]ボタンを押すとオリジナル画像を該当角度で回転した新しい画像が得られます。

◆回転画像の背景色は、通常は「白」ですが、[背景(黒)]にチェックを付けておくと背景色は「黒」になります。

◆画像を回転したとき回転角によっては画像の縁にジャギーが生じて見栄えを悪くすることがありますが、 [フィルタ]にチェックを付けておくとアンチエイリアシング(不自然さを除く)処理によって回転画像の縁を滑らかにします。  しかし、回転画像を他の画像上に合成する場合にその処理結果が邪魔になることがあります。  その場合は[フィルタ]からチェックを外して使ってください。


2.任意回転(透視)
透視回転 上記の任意回転は画像中心点で垂直軸(Z軸)上での回転でした。  それに対して透視回転は垂直軸(Z軸)、横軸(X軸)、縦軸(Y軸)それぞれを軸として回転できます。
各スクロールバーを左右に移動すると正方向・逆方向に回転します。
回転角は -180.0〜+180.0 の範囲ですが、0.2度単位の精度で回転できます。
◆右図のように各軸上での回転に伴ってウィンドウからはみ出した部分はクリッピングされ画像から切り取られてしまうため、 クリッピングを避けたいときは「縮率」スクロールバーを右方向に移動して画像を適当なサイズに縮小してください。
◆画像の背景色は通常「白」になっていますが、「背景色」ボタンを押すと任意色に変更できます。
◆各軸上で任意の回転をすると画像の多彩なデフォルメ効果が表現できます。

3.90度(時計回り/反時計回り)
デジタルカメラを縦向きにして撮った写真は横向きで保存されるため、  パソコン上でも横向きで表示されます。 このようなとき画像を時計回り/反時計回り90度回転して正立像に直すことができます。 












画像変形

Deform Dlg 画像のデフォルメ効果を表現する機能で、サンプルを見ながら画像を変形できますが、 ここで出来ないもっと多彩な変形をしたい場合は「回転」の中にある「透視回転」でも可能になります。

「画像変換」メニューから[変形]コマンドを選択すると図のようなダイアログボックスとその隣に評価用画像が表示されます。
「サンプル」に示す各ボタンを選択すると該当する変形画像が評価用画像に表示され、 [了解]ボタンを押すと変形画像の新しいウィンドウを開きます。

◆画像の背景色および[フィルタ]については、画像回転と同じです。

◆「サンプル」メニューの各ボタンを押すと、「変換係数」欄の「a11,a12,a21,a22」にそのとき使う変換係数が表示されます。
「サンプル」で示す変形画像だけでは満足できない場合は、 これらの係数に適当な値を入力して[テスト]ボタンを押すと評価用画像上にそのときの変換画像が表示されます。

◆ここで、変換係数「a11」は画像幅の拡大率を、「a22」は画像高さの拡大率を、「a21,a22」は画像のひずみ率を示しています。  拡大率が1でも、ひずみ率によって画像サイズは原画像より大きくなったり小さくなったりします。
[註]:評価用画像のウィンドウサイズは変形によって大きくならないように一定サイズ内に制限して表示しています。

◆変換係数の与え方に特別な制限はありませんが、 各係数を与えることによってどのような形状に変形されるかは、 拡大率「a11,a22」を1.0近辺にしておき、 ひずみ係数「a12,a21」だけを与えるようにして試してください。

◆各係数は[±値]が許容されます。  例えば、「a11,a22」を共に負値にしておくと天地が逆転した画像になります。

◆[フィルタ]にチェックを付けておいても、変形画像の角度によっては多少のジャギーが目につくことがあります。  気になる場合は変換係数「a12,a21」いずれかの値を少し変えてみてください。












空間フィルタ

Filter Menu [空間フィルタ]コマンドには、スムージング、シャープネス、それぞれに微弱、弱、中、強の4種類のフィルタと、 輪郭抽出にカラー、黒白の2種類のフィルタがあり、希望するコマンドを選択すると該当するフィルタで変換した画像を得ます。

◆スムージングにはもう一つ[拡張スムージング]があります。  その利用例として、予めボカシ効果で作成した画像に対して「3次元画像加工」内にある照明とボカシ効果、 或いは「テクスチャ効果」などを併用してみると、 たとえば半透明のガラス越しに見える画像などの表現ができる場合があります。
更に他の例では「投影画像合成」のとき遠方にボカシ効果画像を配置するなどがあります。

◆用意された4種類の平滑処理では満足できない場合に、 画像を僅かにサイズ変更しても平滑処理の効果が得られます。  こちらの方がきめ細かな平滑化ができる場合があります。












ミラー反転

Mirror Menu [鏡像]コマンドは、[上下]または[左右]にミラー変換するコマンドです。
何れかを選択すると、画像の中心軸で180度回転した画像を得ます。
これは[画像回転]コマンドでも同じ結果が得られますが、鏡像を作る場合はこの方が高速に得られます。












モザイク

Mozaic Menu フルカラー画像にモザイクをかけた画像に変換します。
モザイクのサイズには小、中、大の3種類があり、これらを選択してモザイクの程度を表現します。












エンボス

Emboss Dlg フルカラー画像にエンボスをつけて深みのある画像に変換します。
エンボスの強度には弱、中、強の3種類があり、 これらを選択してエンボスの深さを表現します。  更にエンボス色を選択すると原画像の自然色でエンボス効果を表現したり、 全体を金色、その他の色で表現することができます。
ここで任意色を選択した場合は「色指定」ボタンを押して該当色をカラーパレットから選択することもできます。

◆エンボス効果は予め評価画像上で確認してから「了解」ボタンを押すと原画像に対してエンボスをかけます。  「画像出力」を「新規ウィンドウ」に指定しておくとエンボス画像は新しいウィンドウに、 「現在ウィンドウ」に指定しておくと原画像上がエンボス画像になります。

◆色調変換、空間フィルタ、モザイク、油絵効果などの処理を施した画像にエンボクをかけると、 さまざまな特殊効果を生み出すことができます。