投影画像合成:投影画像を選択

ここではさまざまな写真をはじめ、実在の絵柄模様を対象画像上に投影して自然な感じの画像合成を可能にしようとするものです。
絵柄模様とは、「模様投影による絵画表現」でも出てきますが、 たとえば半透明模様の奥に対象画像を見るような雰囲気に仕上げたいときに利用できます。

[画像名]コンボボックスを開くと、 その中には「ファイルを開く」、およびアプリケーションウィンドウ上に既に開いている複数「画像ファイル名」の一覧が表示されます。  ここでウィンドウ上に既に開かれている画像ファイル名を選択するとその画像が評価用画像上に投影されます。
また、「ファイルを開く」を選択して 通常のファイルを開く方法で画像ファイル(BMP、JPEG、PNG)を開くとその画像が評価用画像上に投影されます。

その後は前に説明した操作方法にしたがって好みの効果が表現できるように調整します。

◆前に投影画像から出る光量が、その画像の濃度レベルの影響を受けるようにしていると説明しました。  つまり投影画像の濃度レベルが0(黒)のとき0%、128(灰色)のとき50%、 255(白)のとき100%の光量がその画像から出て、 「照明効果」のときと同様に対象画像上に照射されるようになります。
画像に投影した光が対象画像に照射される振る舞いは一般的な画像合成の方法と異なり、 ここでは投影される光と対象画像の背景色が馴染むように作用するため、より自然な感じが得られる訳です。

[投影画像の平滑化]は数種類の平滑化フィルタがあり、 必要があれば投影画像を「ぼかす」効果に利用します。  これは、たとえば半透明な模様の奥に対象画像を見るように表現したり、 或いは強制投影と併用して画像に奥行き感を表現したりするとき利用します。

◆カーソルを評価用画像上に移動すると「投影画像の操作」欄で選択したコマンドによってハンドマークまたは「+」印のカーソルに変わります。
[投影画像参照]にチェックをつけると投影画像だけが表示され、 その様子がよく分かります。

「投影画像の操作」について:
[画像移動」を選択するとカーソルがハンドマークになり、 任意の位置でマウスを左クリックすると投影画像の中心点がそのカーソル位置に移動します。  この移動状態の場合のみ、右クリックすると投影画像位置は元の状態に戻ります。

[固定伸縮]を選択すると、 矩形領域内で投影画像の縦横比を保ちながら伸縮して投影します。

[自由伸縮]を選択すると、 投影画像は任意に描いた矩形領域一杯に伸縮するため歪んだ画像が投影されるようになります。

[切り抜き]を選択すると投影画像のサイズは伸縮が元の状態に戻り、 矩形領域で囲った部分をトリミングすることができます。  トリミングに失敗したら右クリックして元の状態に戻して再度トリミングし直してください。
これらの操作をするときは[投影画像参照]にチェックを付けて、 投影画像だけを表示した状態で操作した方がやり易くなります。

[暗い環境]の効果:  投影合成する際、(1)夜の雰囲気で投影合成する場合と(2)昼間画像上で投影合成する場合があります。  前者で合成したいときは投影される対象画像も全体に暗くする必要があるため[暗い環境]にチェックをつけ、 後者で合成するときは[暗い環境]のチェックを外してください。  但し、合成する画像サイズがお互いに同じときは[暗い環境]の影響はありません。

[強制投影]の効果:  真っ暗闇な所に強い光を照射しても効果がありませんが、 [強制投影]にチェックを付けてると対象画像の暗い所にでも投影できるようになります。  或いは、明るい所に光を当てても効果がないのと同様に、対象画像が明るいと投影効果がはっきりしません。  このときも[強制投影]で対象画像上に投影されるようになります。
[註]:極端な例ですが、 合成する2枚の画像が互いに黒色でマスクされている場合は、 [強制投影]にチェックを付け、更に投影光、環境光共に100%近くにおく必要があります。


投影画像に対する工夫:
(1)夜の雰囲気で投影合成する場合
(2)昼間画像上で投影合成する場合
の2通りがあり、それぞれの操作が多少異なります。


投影合成の実際例

(1)夜の雰囲気で投影合成する場合

◆後者の場合は別のページで説明しますが、 前者の場合は夜の雰囲気にするため、 この投影画像の不要部分をできる限り黒に近い色にしておく必要があります。
その理由は上記で説明したように、投影画像の黒に近い部分ほど投影される光量が少なく、 対象画像と投影画像との境界線が目立たなくなるためです。
たとえば投影画像のサイズが小さい或いは伸縮操作などで対象画像の一部に投影した場合に、 合成による境界が出てしまうことがあります。
下の例で左の稲光画像は投影画像、中央と右端はその投影画像を自由縮小して湖畔画像上に投影してみた例です。
左端の投影画像は背景色が幾分黒に近くなっていますが、 それでも中央の画像にはその境界が出ています。  これを避けるためには投影画像を対象画像の幅一杯まで拡げてしまうか、 左端例のように投影画像のシャドウ部を落とすように階調特性を変更することによって境界を目立たなくすることができます。
ここでは稲光の細部がはっきりとは再現できていませんが、当然のことながら湖畔画像をもっと暗くすれば再現できるようになります。
また投影画像をあまり縮小すると細い線は再現できなくなります。


サンセット例1 ◆次のサンプルも同様の操作で湖畔の写真上に異なるサンセット(実際の写真を切り取ったもの)を投影してみた例です。
下の左側の写真にサンセット効果を付けたもので、水面が見えるように少し明るくしていますが、 もう少し暗くした方が赤が鮮やかに表現できるものと思われます。
サンセットの方は湖畔写真上に投影したとき、その境界が出ないようにするため、 湖畔写真と同じサイズに加工してあります。

サンセット例2 ◆これらの画像加工にはそれ程の手間がかかるものではありません。
むしろ、対象画像に適した投影画像を探してくる方が手間かも知れません。
したがって、対象画像の背景にふさわしい画像を見つけたらこれを投影画像として保存管理しておけば後は何度でも流用でき、 簡単な操作でこのような画像を投影合成することができるようになります。

サンセット例3 ◆もう一つの例を示しますと、これは左の画像にサンセット画像を投影合成し、 更に湖面の夕焼けの映りと街灯に照明効果を与えた例です。
上の例と少し様子が異なるのは、ここでは山間にサンセットを配置しているため、 山全体には多少なりとも夕焼けが投影されないようにしておいた方がよいと思われます。
サンセット例4 このため投影するサンセット画像には前もって山の形のところを右画像のように黒く塗りつぶしておき、 これを対象画像に投影合成すると上右画像が得られます。
一般の画像合成と異なり、山の形が極端にずれない限り大ざっぱに塗りつぶせばよい点で作業はかなり軽減されます。
少し複雑な形状を塗つぶす必要がある場合は、 後述の「画像のマスキング」操作をするとこの塗つぶしはもっと簡単にできます。



投影合成の実際例:
(2)昼間画像上で投影合成する場合
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