照明条件の履歴

画像に照明効果を与えるとき、 制御パネルや補助パネルを操作しながら評価用画像上で好みの効果が得られるように調整していきますが、 ここでやっと自分の気に入った表現を得たとしても、 大きいサイズの実画像上でその効果を確かめたとき、必ずしも満足できるものとは限りません。
こんなとき、もう少し表現を変えてみよう、光源の位置を変えてみようと思うこと、 あるいは、過去に作成した画像と同じような表現で照明効果を与えてみようと思うことはよくあります。
しかし、そのときの照明条件がどうなっていたか、正確に再現してみることはとても面倒な作業になります。
このため、評価画像上で好みの効果が得られて、 実画像上へその効果を反映するために[了解]ボタンを押したとき、 そこで使用した照明条件を履歴として自動的に記録するようにしています。
照明条件履歴 したがって、同じ照明条件で再現してみるときは、 その履歴記録を参照すれば容易に再現してみることができるようになります。  或いは幾つもの画像に同一条件で照明効果を与えたい場合にも便利に利用できます。

◆過去に与えた照明条件を参照するには、 「照明効果」ダイアログボックス上の[照明履歴の参照]ボタンを押します。  このとき、選択されている照明タイプに関する過去の履歴記録があれば、 そのボタン上に図のようなコンボボックスが現れ、 ここで適当なタイトルを選択すると、そのときと同一の照明効果を評価画像上に与えます。

◆たとえば、選択したタイトルが、[003:img75-r2.png (02/11-20:33)]であることは、 履歴番号が[003]、そのとき使った原画像のファイル名が[img75-r2.png]、 作成した日付が2月11日20時33分、ということになります。

◆照明条件を参照するキーワードとしては分かりにくいところもありますが、 あのとき作成した画像と同じ照明条件で再現してみたい、あるいは少し表現を変えてみたいというときは、 そのとき作成した日付と使用した画像ファイル名を手がかりに参照することになります。

LightSet.hst ◆照明条件の履歴として記録するファイル名は「lightset.hst」であり、 この中に記録される項目は照明タイプによって異なりますが、 特にサンセット/サンライズでは一回の処理で照明条件が約50項目にも及ぶことがあり、 照明回数が多くなるにしたがってファイルの中身はどんどん増えてきます。
したがって、無条件に記録を許容するとデータ量は膨大になるため制限をつけてその中で循環記録するようにしています。
右図は「lightset.hst」ファイルの履歴記録の一例を示していますが、 「MaxItem=」で許容する履歴番号の最大値を指定します。  デフォルト値は128になっており、 記録する度に履歴番号が計数され、その現在値が「CurrentNo=」に示されます。
図では、照明条件が履歴番号8まで記録されていることになり、 この記録が履歴番号[128]を超えると履歴番号は[001]に戻って循環しながら記録するようにしています。
履歴番号[nnn]の下にパラメータ群が記録され、これが1つの照明効果で与えられる記録の単位になります。

◆このファイル「lightset.hst」はプレーンテキスト形式になっているので、 使い慣れたテキストエディター、ワープロソフトなどを使ってパラメータ内容を変更したり、 不要な履歴番号を記録単位で削除することもできます。
但し、多重化照明記録の履歴を削除するときは注意が必要です。  たとえば、3個の多重化照明を与えた場合の履歴記録は、履歴番号[i]にLightName=多重照明の[1]番目・・・、 [i+1]にLightName=多重照明の[2]番目・・・、[i+3]にLightName=多重照明の[3]番目・・・のように記録されるため、 これらを対にして削除する必要があります。

[注意]: 「lightset.hst」ファイルを修正後もこのファイルを開いたままにしておくと、 照明条件の履歴が記録されない場合がありますので修正後は必ず閉じておいてください。



照射形状の登録について
◆照明条件の履歴「lightset.hst」ファイルは循環式になっているため、古くなると自然に消されてしまいます。
このため、照明条件を記録するもう一つの「Lightcmd.reg」という登録ファイルが用意されています。
このファイルは「Lightset.hst」ファイルと同じ形式ですが、 照明条件の履歴の中で特に気に入った照明条件だけを登録しておくためのファイルで、 補助パネル上の[サンプル]ボタンから照明条件を参照できるようになります。
この「Lightcmd.reg」ファイルへの登録は手作業になりますが、 「Lightset.hst」ファイルの中から該当履歴番号の記録単位で「Lightptn.reg」ファイルへコピーして、 「登録ファイル」として保存しておきます。  このコピー作業は、使い慣れたテキストエディター、ワープロソフトなどを利用してください。  たとえば、図の履歴番号[002]をその記録単位でコピーして、「Lightcmd.reg」ファイルのデータの最後に貼り付けます。  (このときの履歴番号は重複しない限り順不同ですが、なるべく連番にして保存しておきます。)
これによって、同じような照明条件で新たな作業をするとき、 この「登録ファイル」から該当照明条件を選択すればあとはそれに手を加えるだけで済み、 作業は大幅に短縮できます。
但し、多重化照明記録の履歴をコピーする場合は、 削除するときと同様に多重化照明履歴の記録を対にしてコピーする必要があります。 

◆「登録ファイル」に登録した各照明条件のタイトルとして「FileName=」欄を使って、 たとえば「FileName=形状8の合成:緑光、右下がり」などのように全角16文字以内で記述しておくと、 補助パネル上の[サンプル]ボタンから該当項目を索引するとき分かりやすくなります。

◆補助パネル上の[サンプル]ボタンを押すと、図のようなコンボボックスが表示され、 予め「Lightcmd.reg」ファイルに登録されている照射形状の中から選択できるようになります。
但し、「双葉面形状光」、「サンセット・サンライズ」、 「幻想的なオーロラ」などの照明効果ではコンボボックスを表示する代わりに、 予め形状パターンを登録した「照明光形状サンプル」が表示され、 ここでは絵を見ながら照明形状などの基本条件を選択できるようになります。